【お知らせ・プレスリリース】「東日本大震災から4年 ふくしまの2020年を見据えて」(2015年3月11日)



2015年3月11日に寄せて、ふくしま連携復興センターでは
「東日本大震災から4年 ふくしまの2020年を見据えて」と題した談話を発表致しました。
ご一読頂ければ幸いです。

これからも、ふくしま連携復興センターは皆さまと共に歩み続けて参りたいと思います。
末永く、どうぞよろしくお願い申し上げます。



東日本大震災から4年 ふくしまの2020年を見据えて
~ ふくしま連携復興センター 談話 ~

 一般社団法人ふくしま連携復興センターは、2011年7月に結成され、東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故に伴う被災した地域および被災者自身の自立的な復興を目指し、様々な支援のコーディネートやネットワークづくり、情報提供・情報発信、事業連携・協働推進を支えるべく活動を展開してきた。そのミッションは『福島の復興ネットワーク全体を俯瞰して、「抜け」、「漏れ」のない支援をしていく』ことにある。現在、会員団体の総数は約140団体であり、その活動は被災者の暮らしや産業の復興、まちづくり、子ども支援などさまざまな領域にわたる。

 東日本大震災から5年目を迎えたいま、応急仮設住宅やみなし仮設住宅などから復興公営住宅へ移る被災者、県内外に定住を決意した被災者などさまざまな選択をされた方々が抱えている状況は、相変わらず混沌としている。生活再建に向け足を踏み出しつつある被災者がいる一方、長引く被災者生活に疲れ果て、過剰なストレスから持病が悪化し亡くなる被災者や、見知らぬ土地に慣れぬまま、引きこもりの生活から自死を選択する被災者もいる。「震災関連死」は後を絶たない。同じ東日本大震災という災害でありながら、震災でなくなった方々のうち「震災関連死」の割合は、岩手県、宮城県がそれぞれ8%台であるにもかかわらず、福島県は51%を超えるという異常な結果になっている。これはいうまでもなく、「原子力災害」によって先が見えない不透明な日々を送らざるを得ない被災者、特に原子力発電所立地地域を中心とする「強制避難者」に、いまもなお深く影を落としているからに他ならない。こうした「ふくしま」が抱える当面の課題に対しては、県民一人ひとりの心が丈夫になることをめざす「心の復興」を掲げた活動を展開していかなければならない。この大きな課題解決に向けて、ふくしま連携復興センターは、『「ふくしま復興の担い手」育成・支援』と『ふくしまのコミュニティ形成支援』を「重点施策」と定め取り組みを進めてきた。
 福島の復興に携わる活動は、対処する課題や具体的施策は変化しながらも中長期に渡って続いていくものと考えられる。それは同時に、ふくしま復興を支える「担い手」を中長期的に育成し、安定的・継続的に活躍できるよう支援することの必要性を意味している。今後も広範な県民各層と協働しながら、安定した支援基盤の構築を図っていく。
 また、ふくしまのコミュニティ形成支援については、復興公営住宅の整備と入居の本格化、それに伴う仮設住宅のコミュニティ再編、広域避難者の生活を支えるコミュニティ、帰還を決めた方々をサポートするネットワークなど、コミュニティ形成に関わる複数の課題への対応が本格化している。こうしたことからも、福島の復興においては、コミュニティ形成のための様々な支援策を講じていくことは最優先で取り組むべき課題のひとつである。さらに、活動開始以来、継続的に実施してきた「協働推進」、「情報収集・発信」、「研究・提言」の三つの基本施策を、「重点施策」と連関・融合させながら、この課題に立ち向かっていく。

 ふくしま連携復興センターでは、昨年7月に「2020年を見据えたふくしま復興のビジョン」について、会員向けアンケートを実施した。下記に幾つかを記載する。
▲政策提言型の活動の重視
▲「ダークツーリズムツアー」を開催し、観光の活性化を図るとともに世界に向けて「風化を遅らせる」。「環境」や「エネルギー」についての提案や情報を配信する。さらに世界的な「スマートコミュニティ」の実現に向け、活動の拠点を福島にする(国際会議を数回開催する)
▲ふくしまで「起きたこと」、ふくしまで「起きていること」、ふくしまの「これから」を語り伝えつづける
▲避難先の地域でも、「ふるさとのつながり」を結べるような『キーステーション』をつくる
▲一緒に、強く、優しく生き抜いていく大人になれるような子どもへの支援
▲在宅ワーク(テレワーク)の推進
▲NPO等が継続して活動できる仕組みづくり
▲持続可能な社会をつくるために、医療・教育・福祉・エネルギー等の視点から新しい社会システムの実現
 これらを見ても、各会員団体がさまざまな領域に渡って活動を展開していることを反映して、それぞれの活動の観点からの意見や提案であることがわかる。

 このようにふくしま連携復興センターは、行政単独では実施が困難で、すき間が生じる問題に対して、その課題を浮き彫りにし、民間活動・市民活動の機動力と柔軟性を最大限に発揮し続けていく。今後も、2020年に向けて私たち市民活動が何をすべきかを追求していくとともに、県民に向けて、市民活動が何を約束できるかを明確にし、活動を展開していかなければならない。こうした、市民と行政との協働を進めていくためにも、復興支援のあらゆる場面において市民がさらに力量をつけていくことが急務である。特に今年度は、3月14日から宮城県仙台市をメーン会場に「第3回国連防災世界会議」が開催される。ふくしま連携復興センターは、ふくしま復興の課題とその解決のための施策を広く国際社会にアピールすることとしている。また、国内に向けては風化を止めるために、ソシアルムーブメントとして、このふくしまの事実を記憶に留めてもらうための「記憶モニュメント設置」などを展開するための行動を起こしていく。これまでの日常的な支援に加え、こうしたlocal、national、internationalのそれぞれの視点で、復興支援活動を組み立てていくことが求められている。
 ふくしま連携復興センターは「復興とは何か」という基本的な問いに対して、原発事故で拡散した放射性物質による健康被害を押さえ込むことを県民総意の大前提とし、「災害によって顕在化した、地域や社会の脆弱性の克服」という答えを持っている。もともと地域に内在化していた課題を変革していく過程が復興である。そういう視点に立つ時、この復興支援という仕事は、地域変革や社会変革に挑戦していく好機であると考えている。

 ふくしまの抱える課題は、息の長い取り組みの中で解決を見るということはいうまでもないが、復興庁は、2021年(平成33年)3月31日までに廃止されることが規定されている。まだまだ先の見えない「ふるさと・ふくしま」を考える時、このような機関の廃止を前提に復興を考えるべきではない。「ふるさと・ふくしま」の復興を求め、この現状に寄り添っていくことを政府に求め続けていく。
 ふくしま連携復興センターは、いままでと同様に広範な支援を受けながらも、「ふるさとのことは、ふるさとに住むわれわれが決める」という立ち位置を崩さず復興支援を行っていく。震災以降これまで「ふくしまに世の光を」と言い続けてきたが、2020年という節目を見据えて、ふくしまが地域や社会の抱える課題を解決していくことで、ふくしまに学ぶ新しい地域づくりのモデルを構築していくこと、つまり「ふくしまを世の光に」という有り様を実現させようと呼びかけるものである。

2015年3月11日
一般社団法人ふくしま連携復興センター



【PDF】「東日本大震災から4年 ふくしまの2020年を見据えて」(2015年3月11日)