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  • 2012.10.02

【分科会テーマ①】抜け漏れのない支援のあり方について

分科会テーマ①『抜け漏れのない支援のあり方について』では、
ふくしま連携復興センター理事・天野(おだがいさまセンター センター長)が
コーディネーターを務め、4名の方に現状報告を、2名の方に連携の先進事例の
紹介をいただいた後、5つのグループに分かれてディスカッションを持ちました。

目的

自治体・社会福祉協議会・それぞれの専門機関・NPO等支援団体における
活動の現状と課題認識、これから担うべき役割のあり方について考える。

概説

震災から1年半が過ぎ、ふくしまの課題は複雑化しています。
短期的な課題解決としては避難している方々の置かれている状況の厳しさ、
長期的なとしては生まれ故郷に帰れる日が来るのか、
その日までの「仮の町」をどう考えるかかなど、異なる立場、様々な活動の中で、
どのような連携が可能なのかを探りました。
「川内村社会福祉協議会」の古内伸一さんには、郡山のビッグパレットに開所した
「おだがいさまセンター」の通所介護、訪問介護、デイサービスといった活動を
通しての経験と変遷をお話しいただきました。

問題・課題点として、帰村宣言が出されて6か月がたっても住民が戻ってきておらず、
広範囲にわたる避難状況の中で、いかにして拠点のない地域の支援を行うか、
社会インフラが整っていない中でいかにして安心して帰れる状況を目指せるのか、
社協職員自らも避難している中、自分たちの力で自立していける道すじを探っていけるか、
といった課題があげられました。
行政にはできない、社協としての自助共助による生活再建を一緒に進めて行くため、
引き続きの支援が求められました。

「南相馬市社会福祉協議会」の主任生活相談員・黒木洋子さんには、生活支援相談員として、
みなし仮設や借り上げ住宅も含む世帯台帳の作成から見守り活動などの
現場の取り組みをお話しいただきました。
南相馬市社協は15名配置されている5班編成。生活支援相談員は8月から
生活復興ボランティアセンターに替わり国で予算化されたもの。
仮設住宅の集会所でのサロン活動をはじめ、借り上げ住宅や在宅も対象に、
試行錯誤しながらなんとか孤独死を起こさないよう見守り活動をしています。
問題点としては、NPO、民生事業委員、ケアマネージャー、包括支援センターなど
関係機関との連絡調整と情報共有のシステム構築があげられました。

この集会で支援団体がたくさんいることを知ることが出来、
自分たちだけでは担いきれない課題に対して、今後も協力を得ながら対応していける、
と発言いただきました。
社会福祉士で介護支援専門員協会の千葉喜弘さんからは、福島県で立ち上げた
相談支援専門チームの取り組み事例を紹介いただきました。

介護福祉士、精神保健福祉士といった介護支援の専門職が震災後、
連携して作った「ビッグパレット福島(BPF)方式」と呼ばれる暫定ケアプランは、
仮調査した一次判定により迅速な対応を可能にするもので、
その後厚生労働省が採用し、県下に広まったやり方で、抜け漏れを作らず
どんな相談も受ける専門職による派遣事業を目指しました。

問題だったことは、福祉避難所もなく、県内の高齢者障がい者施設が
すべて福祉避難所扱いになったこと。
コミュニティとして機能できるよう、小さな単位で専従スタッフを配置できるかが
問われました。
いつまでも「被災者・避難者」という言葉を使うのではなく、同じ福島県民じゃないか、
という視点での活動を呼び掛けられました。
「相馬広域こころのケアセンターなごみ」の作業療法士・西内実菜さんには、
医療の専門としてのサロン活動や幼稚園・保育園の訪問調査、教材DVD作成などの
取り組みを紹介いただきました。

課題点として、仮設住宅の入退去に関する問題、産業の衰退、除染の見込みが立たない
疲弊やストレスからくるDV、アルコール依存、投薬中断、人格障害、
うつなどがあげられました。

災害があたえた障がい者への影響の大きさ、強制的な移転により不安定な状況に
追いやられ、通院先を失う、居場所がなくなる、といった解決が難しい状況を
報告していただきました。
「NPOほうらい」理事長・高荒弘志さんからはコミュニティバスの運営を通した
住民主体の復興への連携について紹介いただきました。

点在する仮設住宅と買い物先や医療・健康施設をつなぐ無料巡回バスが、
知らない者同士のふれあいの機会になり、連携の促進に役立つ、という取り組みと、
食と運動をテーマに健康弁当を配ったりフィットネスセンターを運営する
「かあちゃんの力プロジェクト」の取り組みから、
「住民自身が復興の主体となって盛り上げる」というヒントをいただきました。
「富岡町生活復興支援センター」の吉田恵子さんには、富岡町被災者支援連絡協議会の
紹介と、支援情報マップづくりや支援研修の取り組みについてご報告いただきました。

協議会では、仮設住宅への個別訪問が一日に7回も8回も訪れるような状態から、
保健師、連絡員、消防、警察、介護保険サービス事業者、回覧板、ボランティアなど、
支援団体が皆1回ずつ回っている問題に気づき、お互いの話をまず聞こう、
というところから始め、課題の整理に取り組みました。

富岡町から郡山に避難して土地勘もなく、名簿があってもたどり着けない状態から、
独自のナビ機能つきの地図システムをつくり、富岡町とも連携して個人情報を
管理したことで、横の連携が生まれました。

モットーは「前例を作ろう」。連携が出来てくると、自治会も生まれ、
現場で必要なことを話し合う集まりが持てるようになり、対人援助技術や防火訓練など、
現場に役立つ研修をしよう、という課題も見えてきました。

ワークショップでは発言者・参加者が一緒に、「連携を難しくしている事とその対応策」に
ついて話し合いました。
以下に上がった意見の一部をご紹介します。

・情報の共有システムづくりや現場レベルのネットワークの必要性
・「一緒にやる」「自分たちが主体」という姿勢
・集まって、整理して、仕組みやマップを作って、研修をして、分担・連携すること
・イベントという場をリソースにすること、子どもたちを媒介に輪を作ること
・革新的事業でイノベーションを起こすこと
・ノウハウがないことに対して前例をつくること
・ふくしまの特異性に向き合うこと、自立を妨げる不和・不安にどう対応するか

以上