第4回「ふくしま広域心のケアねっと」開催について(3/15)
3月15日(月曜日)午後1時30分から、
第4回「ふくしま広域心のケアねっと」をオンライン開催いたしました。
震災から10年が経過した今でも、福島県においては原発事故の影響によって未だに立ち入り禁止区域が多くある等、他の被災県から比べても著しい復興の遅れが見受けらいます。このような環境の中でも、復興支援に尽力する人々による「歩み」は一歩一歩進んでおり、避難指示の解除区域が拡大されると共に明るい兆しが見え始めてきています。
しかしながら一方で、変化した生活環境等による心のケアに係る問題が表出してきており、地域においては長期的な避難、高齢化、アルコール依存など要因となる傾向に加え、新たに避難指示解除地域における社会資源の不足、子どもや女性、特に妊娠・出産・子育てに携わる母親、帰還者及び移住者の孤立等が課題として浮き彫りになってきています。
ネットワーク開催としては昨年度からの継続で4回目、本年度の開催として2回目となる今回は、以下の内容で開催しました。
・セクターを超えた連携調整により地域の資源が有効活用され、孤立等の心のケアの課題に対応した実際のケースをフォローする。
・地域の住民参加型の有効な研修とは何かについて考察する。
・地域の実際の支援者間の顔と顔の見える関係を構築する。
これを通して社会課題を地域で連携して解決する事例を繋げることで、地域が直面する心のケアに係る問題を具体的に解決していく基礎とすることを目的に開催しました。
当日は報告者とファシリテーターがいわき市にあるNPO法人みんぷくの事務所に集まり、報告については配信の形式で開催し、19団体27名の方々が参加されました。
開会宣言の後、まずカトリックいわき教会セントジョセフのダナンジ・フェルナンド氏から、第3回の当会において共有された、避難指示解除地域における移住者の孤立ケース対応の経過報告として、外国人妊産婦支援のその後について報告がありました。当センター支援者連携チームの山中がファシリテーター兼通訳補助として同席し、日本語、英語でコミュニケーションが取れない外国人妊産婦を行政、福祉、支援団体等に繋いだ経緯が報告されました。さらに出産後から今日の状況についても報告があり、活発な質疑応答が行われました。
続いて、「ふくしま心のケアセンターとみんぷくコミュニティ交流員の協力による研修実施のプロセスについて」をテーマに、支援員や復興公営住宅入居者に対してみんぷくと協力して心のケアセンターが実施した研修事例について報告がありました。支援者間の具体的な連携による効果的な研修について、ふくしま心のケアセンター古山綾子氏、同センターいわき方部センター東條仁美氏、みんぷくコミュニティ交流員の高梨幸司氏、藁谷久美子氏によるトークセッションを、みんぷくの鵜沼英政氏をファシリテーターに実施しました。
報告の後10分間の休憩を挟んで、テーマに基づいた座談会、近況報告や情報交換のためのフリートークの時間を設け、盛況の中閉会しました。
このように、具体的なケース対応や研修実施における支援者間のセクターを超えた連携を通して、さらにコミュニティベースの繋がりとネットワークが広がっていく期待を抱かせる内容となりました。
本年度の当会の活動については今回の開催をもって終了となりますが、当会は会員各位の意見を集め、次年度以降も緩くとも会員相互が双方向でやり取りできる、住民参加型の持続可能で効果的なネットワーク構築を目指します。本年度はまず、福島県浜通りの相双~常磐地域にかけてのネットワーク構築にフォーカスしましたが、さらに県域において心のケアのネット網を広げていくことを目標に活動を展開していきたいと考えております。
興味のある方、自分たちも支援の輪に加わってみたいという方は、
ふくしま連携復興センター支援者連携チーム(info@f-renpuku.org)までご連絡ください。