〜復興の足枷となる風評被害再燃への懸念と
　　　　　　　　　　　県民不在の決定に対して反対します～

　政府により、福島第一原子力発電所事故によって発生した放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出の方針が決定された。
この方針は、「福島の復興をすすめる上で避けて通れない課題」などのこれまでの一連の発言と同様に、復興への地道な努力を積み重ねてきた漁業関係者をはじめとする県民に対する暴挙といわざるを得ない。
　ふくしま連携復興センターは、福島の復興や課題解決に取り組む、市民活動団体等の多様な主体が参画する中間支援ネットワーク組織として、福島県民の十分な理解と議論が尽くされていない現段階での方針決定に断固抗議する。政府は安心・安全に暮らせる福島を取り戻すための、具体的な「環境対策」、「風評対策」についての提案をしっかり行った上で、合意形成の過程を明らかにした国民的議論を経て、この課題を解決していくことを強く求める。

一般社団法人　　　　　　
ふくしま連携復興センター
代表理事　天野和彦　

　ふくしま連携復興センターは、以下の合意形成の過程に重大な問題が残されていると考えます。
　①海洋放出以外の方法について、どのような検証をし、どのように評価されたのかが十分に説明されて
　　いない。
　②政府は風評被害対策にあたるとしているが、どのような風評被害を想定し、その具体的な方策については
　　全くといっていいほど知らされていない。
　③放出対象の処理水について、その安全性や放出までの具体的手続き等が十分知らされていない。